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(AMS鑑定通信 2025年春号から)

 

1.全国新築分譲マンション市場動向2024年
 株式会社不動産経済研究所が全国新築分譲マンション市場動向2024年を公表しました。
それによると全国の発売戸数は59,467戸(前年比8.6%減)です。
前年に引き続き3年連続の減少となりました。
地域別に見ると、首都圏14.4%減、近畿圏1.6%減、東海・中京圏1.0%減です。

 

三大都市圏以外は以下のとおりです。

 

     2023年前年比2024年前年比
全国     65,062    -10.8%59,467-8.6%
北海道  1,574   -26.3%1,362 -13.5%
東北 1,656-43.8%1,952 17.9%
関東(首都圏以外) 1,461-25.4%1,355  -7.3%
北陸・山陰        617    12.4%  422 -31.6%
中国         2,83644.7%     2,256-20.5%
四国          405-65.9%  79796.8%
九州・沖縄       8,111-4.0%     7,103-12.4%

 

 東北地区と四国地区が増加していますが、これは前年の大幅減による反動とみるべきでしょう。
 全国的にマンション供給戸数は減少しています。新築マンションは建築される場所が極めて限定的
(都心部・主要駅近など)となっており、マンション価格が上昇する要因の一つといえます。

 

 戸当たり平均価格は6,082万円(前年5,910万円)、8年連続の上昇、
1平米当たり単価は11年連続の上昇を示しています。全国売主別発売戸数上位は、
1位が野村不動産3,584戸、2位プレサンスコーポレーション3,230戸、3位三井不動産レジデンシャル3,089戸と続きます。
マンションの価格上昇はいつまで続くのでしょうか。

 

2.建築費上昇
国土交通省は1月31日、2024年建築着工統計調査を公表しました。
これは全国の自治体に提出される建築確認申請をとりまとめたものです。
2024年の新設住宅着工数は792,098戸、前年比3.4%減です。
新設住宅着工床面積は60,869千㎡、前年比5.2%減となっています。

 

住宅分類別では、持ち家218,132戸(前年比2.8%減)、貸家342,044戸(同0.5%減)、
分譲住宅225,309戸(同8.5%減)〔内、マンション102,427戸(同5.1%減)、
戸建121,191戸(同11.7%減)〕などとなっています。

 

建築確認申請には工事費予定額を記入します。
統計資料では全国、各都道府県単位で用途別・構造別に延床面積総数、工事費総額が記載されます。
工事費総額を単純に延床面積総数で割り戻したみると建築費(予定額)の上昇が進んでいることがわかります。

 

                              (単位:万円/㎡)
RC造  2021年  2022年 2023年 2024年
全国  26.51  27.27    29.42  33.37
東京  32.43  33.44  36.78  42.57

 

予定額なので実際に企業が計上するコストとは相違があり、多少の誤差が生じる可能性はあります。
これ以上、建築費の上昇が続けば、どうなるのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

(AMS鑑定通信 2024年冬号から)

 

1.岐路にあるマンション相場
都心部を中心に価格高騰が伝えられるマンション取引価格ですが、最近、状況に変化が生じつつあるようです。
株式会社東京カンテイのデータによると、ここ3年間の新築マンション分譲戸数は以下の表のとおりです。

 

2021年2022年2023年
東京都25,79823,79220,020
大阪府11,93410,8098,834
愛知県 6,991 7,2455,105

 

分譲戸数の減少が続いていることがわかります。こ
の傾向は首都圏では続いており、9月20日付日経新聞では、首都圏マンション発売前年同月比50%減で728戸にとどまり、
5カ月連続の減少であることが報じられています。

 

 11月12日付日経新聞では、「中古マンション、上昇相場に陰り」と題し、
中古マンションの価格が軟調(下落、やや下落)である都道府県が15に増加していると記載しています。

 

地方では、所得水準が大都市部と比較して高くなく、マンション価格が上昇すると戸建住宅と競合すること
(マンション価格が高くなり過ぎている)、及び物価高による資金的な余裕がなくなっていること、
更に将来の金利動向をその要因と挙げています。

 

他方で同じく11月22日付の記事では、「中古マンション、東京・千代田は2億円に迫る、都心独歩高」との見出しで、
同じ首都圏でも都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)は10月の中古マンション平均希望売り出し価格が
前月比2.9%高の1億3800万円であるのに対し、神奈川県△0.3%(3644万円)、埼玉県△0.9%(2886万円)、
千葉県△0.6%(2696万円)と二極化を示しています。

 

その前の11月19日付の記事では、「都内駅近マンション急騰「徒歩5分以内」10年で価格2倍」と報じています。
資産性が高いマンションがどのようなものであるかよくわかる内容です。

 

デベロッパーにとっても、高く売れるマンションの立地は知り尽くしています。
そのような立地で面積がまとまった土地はそう簡単に市場に出てきません。
どうしても高額で土地を仕入ることになるので、マンション販売価格も高くなる面があります。

 

名古屋市及びその周辺でも状況はほぼ同じで、昨年夏以降、中古マンション販売価格は中心部は比較的堅調であるのに対し、
周辺部では下落が伝えられています。価格上場が顕著であったマンション販売価格もこの先、十分な注視が必要と思われます。

 

2.熊本県地価上昇
 令和7年の地価調査では商業地上昇率全国上位を熊本県の大津町と菊陽町の地点が占めました。

 

1位:大津5-1(120,000円/㎡、33.3%上昇)、
1位:大津5-301(88,000円/㎡、33.3%)、
3位:菊陽5-301(110,000円/㎡、32.5%)、
5位:大津5-2(70,400円/㎡、28.0%)などです。

 

 先日、これらの地点を見てきました。
大津町及び菊陽町は熊本市の北東部から東部に位置し、阿蘇くまもと空港の北方に位置します。
菊陽町に台湾の半導体メーカー「TSMC」が進出し、既に第1期工事は完了、現在第2期工事が行われています。
従業員やその家族を含めると3千人近い人が台湾から来る(来た)と言われます。
もちろん日本人従業者も今後、大きく増えることが確実であるため、周辺ではホテル、分譲・賃貸マンション、
戸建住宅の建築が進んでいます。既存のアパートも家賃上昇しています。

 

 半導体関係では北海道・千歳のラピダス新規進出による地価上昇も話題となっています。
日本の北と南で同時に同じ事情で地価上昇していることに驚きます。
JR九州の豊肥線に乗って最寄駅を降りると、駅の通路に台湾人向けの不動産広告が掲げられています(中国語繁体文字)。
文面には福岡の物件を紹介するとあり、熊本在住の台湾人に対して、人気がある福岡物件を勧めています。

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